うなぎ豆知識

日本人はいつ頃から、うなぎを食べるようになったのか?

バテ気味の時にうなぎを食べる習慣は、なんと万葉集に記されています。
奈良時代には、すでにうなぎを食べていたというのは驚きです。

うなぎは水陸両用

うなぎは川と海を行き来して、地上を這って移動したりもします。体が濡れていれば、皮膚でも呼吸できる強者。「うなぎのぼり」の元ネタは、切り立った絶壁でも体をくねらせて這い登る勢いから取っています。

うなぎの生態は謎だらけ

日本の食文化に深い関わりを持っている割に、その生態はほとんど解明されていません。地道な研究の結果、産卵場が判明したのが2006年!東大の海洋研究所の教授が、グアム沖のスルガ海山付近で、ニホンウナギが産卵していることをやっと突き止めたに過ぎません。川からどういう経路で移動し、産卵しているのかは今でも分からないそうです。

養殖と天然の見分け方

胴回りの太さとお腹の色で見分けます。天然うなぎの方が養殖よりも胴回りが太く、お腹は黄色がかっています。

よく聞く、土用丑の日とは?

まず土用とは、古代中国の思想から考えられた季節の分類。各季節の終わりの18日間が土用になります。その間で日の十二支が“丑”である日が、土用丑になります。夏だけでなく、他の季節にも土用丑の日があるんです。特に冬はうなぎの旬な季節。寒さを乗り切るために食べ、脂の乗りが美味しい「冬の土用」も近年浸透してきたようです。

土用丑の日に、うなぎを食べるようになったきっかけは?

夏バテ防止にうなぎを食べるブームが起こったのは、江戸時代中期のこと。そのきっかけは、エレキテル(静電気発生装置)を紹介したことで有名な平賀源内の広告コピーから。当時、商売上がったりのうなぎ屋が相談に行き、“丑の日に「う」の字がつく物を食べると、夏負けしない”という民間の言い伝えを源内が思い出し、「本日丑の日」というコピーを考案。店先に大きく書き付けたところ、大変繁盛したようです。そのアイデアは他店にも広がり、その後習慣化したと伝わっています。うなぎにはビタミンB類が豊富に含まれているので、夏バテ・食欲減退にはとても効果的。夏にうなぎブームを巻き起こした源内は、物知りだっただけに、その効果を知っていたのかもしれません。

江戸っ子とうなぎの関係

蒲焼は江戸発祥の料理。江戸っ子は、うなぎを食べることにちょっとした美学を持っていたようです。例えば、「うなぎ屋でせかすのは野暮」(注文してから一つひとつ裂いて焼くため、時間がかかる)、「蒲焼が出てくるまでは、新香で酒を飲む」(白焼きなどで間をつなぐのは邪道。そのため、うなぎ屋は美味しい新香を出していた) などの振る舞いが粋とされていたようです。